室内空気環境
 住宅の高気密化や化学物質を放散する建材、家具の使用等により、新築、改築後の住宅やビルの居住者に様々な体調不良が起きていることが報告されています。これらの症状は多様で、症状の発生を含め未解明の部分が多く、また様々な複合要因が考えられ、「シックハウス症候群」と呼ばれています。
 当社では、建物の新築及び改装等に伴う有害物質(アルデヒド類、有機溶剤)の調査、および「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(略称:建築物衛生法又はビル管法)に基づいた特定建築物の空気環境測定を行っています。

測定内容
(1)一般住宅におけるシックハウス調査
(2)学校の教室、体育館等におけるシックスクール調査
(3)新築・改築病院等公共施設における室内空気環境調査
(4)特定建築物の空気環境測定

測定方法
(1)シックハウス・シックスクール調査
①アクティブサンプリング法(吸引方式)
吸引ポンプに捕集管を接続し、1地点・1回あたり約30分間室内の空気を吸引します。
②パッシブサンプリング法(拡散方式)
三脚等のスタンドから捕集管を吊り下げ、約8時間かけて有害物質を吸着させます。特別な機材を必要としないため、ご要望があれば採取キットを送付いたします。
③測定項目
揮発性有機化合物 住宅性能表示基準 学校環境衛生基準 建築基準法 室内濃度指針値
ホルムアルデヒド 100μg/m3(0.08ppm)
トルエン 260μg/m3(0.07ppm)
キシレン 200μg/m3(0.05ppm)
パラジクロロベンゼン 240μg/m3(0.04ppm)
エチルベンゼン 3800μg/m3(0.88ppm)
スチレン 220μg/m3(0.05ppm)
クロルピリホス 1μg/m3(0.07ppb)但し小児の場合は0.1μg/m3(0.007ppb)
フタル酸ジ-n-ブチル 220μg/m3(0.02ppm)
テトラデカン 330μg/m3(0.04ppm)
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120μg/m3(7.6ppb)
ダイアジノン 0.29μg/m3(0.02ppb)
アセトアルデヒド 48μg/m3(0.03ppm)
フェノブカルブ 33μg/m3 (3.8ppb)
総揮発性有機化合物量
(TVOC)
暫定目標値400μg/m3
(2)特定建築物の空気環境測定
 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)に基づいた測定を行います。
 特定建築物とは、以下の用途に使用される部分の延べ面積が3,000平方メートル以上の建築物、および学校の建築物で延べ面積が8,000平方メートル以上のものをいいます。
①興業場、百貨店、集会場、図書館、博物館、美術館又は遊技場
②店舗又は事務所
③学校教育法第1条に規定する学校以外の学校(研修所を含む。)
④旅館
 特定建築物において空気調和設備又は機械換気設備を設けている場合は、2ヶ月に1回測定を行わなければなりません。
 空気調和設備:空気を浄化し、その温度及び流量を調節して供給をすることができる設備
 機械換気設備:空気を浄化し、その流量を調節して供給をすることができる設備
⑤測定項目
測定項目 管理基準値
温度 17℃以上28℃以下
湿度 40%以上70%℃以下
気流 0.5m/秒以下
炭酸ガス 1,000ppm(=0.1%)以下
一酸化炭素 10ppm以下
浮遊粉じん 0.15mg/m3以下
(3)主な機器設備
空気環境測定
空気環境測定
高速液体クロマトグラフ
高速液体クロマトグラフ
関係法令
(1)建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号,平成18年6月2日改正)
 多数の人たちが利用する建築物の衛生的な環境の確保を図り、公衆衛生の向上および増進を目的とした法律です。
(2)学校環境衛生の基準(文部科学省告示第60号,令和2年12月15日改正)
 学校保健法(昭和33年法律第56号)に基づき、学校環境衛生の維持・改善を図ることを目的とした法律です。
(3)住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号,平成19年4月1日改正)
 住宅の性能に関する表示基準および評価の制度、また請負、売買契約の制度を設け、住宅に係る紛争の処理体制を整備することで住宅購入者の保護、紛争の速やかな解決を目的とした法律です。

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