リステリア検査のご案内

 平成26年12月25日に公布されました「厚生労働省令第142号」及び「厚生労働省告示第496号」にて,ナチュラルチーズ及び非加熱食肉製品についてリステリア・モノサイトゲネスに関する成分規格が新たに設定されました。

リステリア(Listeria monocytogenes)とは
 リステリア(リステリア・モノサイドゲネス)は、動物の腸管内や河川水など環境中に広く分布する細菌で食品を介して感染する食中毒菌です。
 欧米では、ナチュラルチーズ、生ハム、スモークサーモン、コールスローサラダ等を原因としたリステリアによる集団食中毒事故が発生しています。国内においても、乳製品や食肉加工品からリステリアが検出されているとの報告があります。

リステリアの特徴
 リステリアは、他の一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴で、冷蔵庫での保存や塩漬けなど、保存性を高めるための条件でもリステリアは増殖し、食中毒の原因になる恐れがあります。
リステリア 出典:東京都健康安全研究センター
出典:東京都健康安全研究センター


症状
 リステリアに感染したときの症状の重篤度には個人差があります。はじめはインフルエンザのような症状が出ます。症状が重くなると、菌が血流に乗って全身に回り(敗血症)、死亡に至ることもあります。発症するまで数日間~数週間ですが、24時間以内に発症する人もいれば、90日以上経ってから発症する人もいます。健康な成人では非常に多くのリステリアを摂取しなければ発症しないため、賞味期限や保存方法を守っていれば、重大な問題になることはないとされていますが、免疫力が落ちている方は注意が必要です。

こんな方は注意が必要です
【妊娠している方】
●母体が重篤な症状になることはまれですが、胎児・新生児に感染による影響が出ることがあります。
【高齢の方・免疫機能が低下している方】
●重症化する可能性が高くなり、死に至ることもあります。

「食品衛生法」の規格基準
【対象食品】
●非加熱食肉製品(生ハムなど)
●ナチュラルチーズ(ソフト、セミハード)
●スモークサーモンなどの魚介類加工品
※加熱をせずに製造される食品が対象となります。ナチュラルチーズについては容器包装に入れた後、加熱殺菌したものや飲食の際に加熱を要するものは対象外とされています。
【規格基準】 リステリア:100/g以下
対象食品ナチュラルチーズ(ソフト及びセミハードのものに限る)
非加熱食肉製品
検体必要量200g以上
本試験定量試験法により(1検体5回)で検査
予備試験定性試験(1検体1回)・定量試験(1検体1回)で検査
※試験は、予備試験と本試験を選択することが可能です。
予備試験は、本試験を実施する必要性を判断したい時に実施するもので、予備試験が必須となっているものではありません。また、予備試験の結果により、本試験が必要と判断される場合があります。

検査のご依頼について

 検査内容等につきましては、弊社ホームページの「お問い合わせ」フォーム又は食品衛生事業部までお問い合わせください。


Feb.2016 [15SY0002]