小規模な工事における
生物調査及び生物保全補助業務のご案内


絶滅危惧種の保全

 近年、メダカが環境省レッドデータブックの「絶滅危惧Ⅱ類」に指定されるなど、身近な自然が失われつつあります。規模の小さな河川・池の改修や道路工事では、生物の調査や保全の手法がわからない施工業者様が工事を受注する場合もあり、工事中に環境省や都道府県のレッドデータブックに記載されている貴重種が死亡したり、生息環境が著しく損なわれたりすることがあります。特に、移動能力が低い魚類や貝類、限られた環境に依存する昆虫類、植物などの貴重種が生息していた場合には、保全対策がなされないと壊滅的な被害を受け、貴重な地域の自然が失われることにつながります。
 当社のスタッフが、お客様のご要望を考慮し計画立案段階から保全対策の検討、モニタリング調査までお手伝いいたします。


1.現地調査の計画・実施

 工事施工前にお客様と一緒に現地調査を計画・実施して、どういった種が生息しているか調べます。貴重種については生息環境や個体数も記録します。調査道具についてはある程度こちらで用意できますので、お貸しすることも可能です。

工事施工場所でどんな生物が生息しているか調べています。

●オヤニラミ(環境省:絶滅危惧Ⅱ類)の生息が確認されました。


2.確認種リスト・貴重種確認位置図の作成

 現地調査結果として確認種のリスト・貴重種確認位置図を作成します。必要に応じて、結果報告書を作成いたします。


●確認種リストの一例

●貴重種確認位置図の一例


3.保全対策の検討

 貴重種が確認された場合、その種の生態を考慮し、具体的な保全対策を立案・実行します。近年、移植に際して生物多様性保全の観点からDNA等の解析を必要とされる場合も想定されます。当社で分析室を保有しており迅速な対応が可能です。

●オヤニラミ保全事例の一例

施工場所を半分に区切り、囲った施工範囲内で生物を救出。
他方は通水を確保する。

生物を施工場所上流の避難場所へ移動。その後、施工開始。

残った半分を囲って生物を救出し、上流の避難場所へ移動後、施工。施工終了後、環境の安定を確認し、避難場所から放流。


4.モニタリング調査

 お客様と一緒にモニタリング調査を行い保全対策の有効性について評価します。必要であれば、貴重種の生息を補助するような施策を講じます。得られた知見は次回以降の調査や保全対策に生かされます。

施工終了後、しばらくして対象の生物が生息しているか確認しています。


★お客様のメリットなど

 調査を通じて貴重な生物を体感し学習することができ、かつ地域の自然の保全に一役買うことができます。また、そうした技術を習得された人材が育成されれば将来的に各事業者で対応可能となりコスト削減につながることが期待されます。
 地域の住民に調査に参画いただくなどすると、より多くの人に自然配慮型の工法をアピールでき、工事に対するイメージの向上につながります。
 必要に応じて、住民向けの啓発用の資料を作成することも可能です。
 ご予算の状況に応じて、現地調査及び確認種リスト及び貴重種確認位置図面の作成までなど部分的なサポートも可能です。


調査の予算について

 お見積もりは無料です。
 1日で終了する調査を想定すると下記のような価格となります。

計画立案

 昆虫1名、植物1名、動物1名の3名の調査員が日帰りで1日調査を行った場合、およそ30万円〜40万円となります。
 調査の地域や調査の範囲などによって、金額は異なります。

現地調査

調査結果の整理

調査結果報告書の作成

保全計画立案

 お問い合わせ頂いた内容によって別途、相談させて頂きます。

保全対策

モニタリング調査

事業報告書の作成

環境啓発事業など





Apr.2010 [10KC0002]