作業環境中エチレンオキシドの測定


 平成13年7月労働安全衛生法令(特定化学物質等障害予防規則)が改正されました。エチレンオキシド及びエチレンオキシドを1%以上含む滅菌用ガスによる滅菌作業を行う作業場では、エチレンオキシドの暴露防止対策を行うことや特定化学物質等作業主任者の選任の他に、6ヶ月以内ごとに1回の作業環境測定が義務づけられています。(作業環境測定は自施設の「第1種作業環境測定士」又は「第2種作業環境測定士」が行うか、「作業環境測定機関」に委託しなければなりません。)

 当社では平素より多方面の作業環境測定を実施し実績を積んでまいりました。エチレンオキシドの作業環境測定についても万全の体制を整えております。

エチレンオキシドとは・・・

 滅菌作業に使用されるエチレンオキシドは、別名酸化エチレンとも呼ばれる無色のガスで、目を刺激したり吸入により吐き気を起こすだけでなく、人に対する発がん性があることから労働安全衛生法令により規制されており、その取扱いには十分に注意する必要があります。

エチレンオキシドの有害性等について
(1) 発がん性
1 IARC(国際がん研究機構)
グループ1(ヒトに発がん性あり)
2 日本産業衛生学会 第1群
(人間に対して発がん性がある物質)
3 ACGIH(米国労働衛生専門家会議)
A2(ヒトに対する発がん性が疑われる)
(2) 人体への影響(出典:中央労働災害防止協会 化学物質の危険・有害便覧)
  濃厚な液体が皮膚につくと、水泡ができる。
  目に入ると、角膜炎を起こすことがある。
  蒸気を吸入すると、低濃度の場合は悪心・吐き気、高濃度の場合は、目・皮膚・粘膜を刺激する。

エチレンオキシド濃度測定方法
 作業環境測定基準において2種類の方法が規定されています。
(1)検知管方式による測定方法(*)
(2)固体捕集-ガスクロマトグラフ(ECD)法
(*)他の成分が測定値に影響を及ぼすおそれの無い場合に限る
測定者:作業環境測定士
作業環境評価基準(管理濃度)はエチレンオキシド濃度 1ppm です。




エチレンオキシド測定の報告書例 ガスクロマトグラフ(ECD)による測定

Nov.2000 [04KB0002]