食品の生産・加工、飲食店の調理作業、飲料水の取り扱いなどに従事する作業者は、厳重な健康管理と衛生管理に努めなければなりません。
 腸内微生物検査(検便)は、感染症に分類される重要な病原体を検出するための検査です。
 当社の腸内微生物検査は長年にわたり蓄積した検査技術と豊富なノウハウを基に、登録衛生検査所として専門の検査員が幅広いご要望にお応えしています。

(1)腸内微生物検査(検便)の目的
①無症状病原体保有者※の早期発見(消化器系感染症の予防)
 定期的な腸内微生物検査(検便)の実施は、無症状病原体保有者の早期発見を行うことにより、消化器系感染症の病原体による食中毒を未然に防止することを目的としています。
※ 消化器内に感染症の病原体を保有していても下痢や嘔吐などの症状がない人
②食中毒の原因菌探索
 食中毒が発生した場合、腸内微生物検査(検便)を実施することにより、原因となった消化器系感染症の病原体を特定します。

(2)検査項目
セット項目
セット名
項     目
S-1
赤痢菌・サルモネラ
S-2
赤痢菌・サルモネラ・腸管出血性大腸菌(O-157)※
S-3
赤痢菌・サルモネラ・腸チフス・パラチフス・腸管出血性大腸菌(O-157)※
S-4
赤痢菌・サルモネラ・腸管出血性大腸菌
S-5
赤痢菌・サルモネラ・腸チフス・パラチフス・腸管出血性大腸菌
S-6
赤痢菌・サルモネラ・病原性大腸菌
S-7
赤痢菌・サルモネラ・腸チフス・パラチフス・病原性大腸菌
注:各セットにノロウイルスの検査を加えることも可能です、御相談ください。
※平成20年6月18日に大量調理施設衛生管理マニュアルにおいて、腸管出血性大腸菌(O-157)にかえて腸管出血性大腸菌の検査を含めるよう改正されました。
参考
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大量調理施設衛生管理マニュアル「同一メニュ−を1回300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設に適用」が改正(平成20年6月18日食安発第0618005号)され腸内微生物検査(検便)の内容も改正されました。

主な改正内容(抜粋)(赤字部分は改正部分)

調理従事者等※の衛生管理
 調理従事者等は臨時職員も含め、定期的な健康診断及び月に1回以上の検便を受けること。検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めること。また、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めること。
食品の盛付け・配膳等、食品に接触する可能性のある者及び臨時職員を含む

主な感染症等の病原体
項目名 細菌の特徴
赤痢菌

3類感染症に分類され、哺乳動物の腸管に生息し、人と猿に対して感染性腸炎を起こします。 人には主に、汚染された食材や水を介して経口的に感染し、消化管に入った菌は大腸粘膜に侵入し、壊死、潰瘍を生じます。潜伏期間は1〜5日で、症状は発熱、腹痛、下痢(粘血便)が特徴的です。

サルモネラ菌

人や家畜の消化管に生息する腸内細菌の一種で、人や動物に感染して病原性を示します。人に対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、3類感染症に分類されている腸チフス(S.Typhi)・パラチフス(S.ParatyphiA)と感染型食中毒菌のサルモネラ(S.Typhimurium, S.Enteritidis等)に分けられます。感染型食中毒菌のサルモネラの潜伏期間は8〜48時間で、発熱、腹痛、下痢、頭痛などの症状があります。

腸チフス・パラチフス

3類感染症に分類され、人のみに感染する疾患で、チフス患者や健康保菌者の糞便で汚染された飲食物を介して感染します。食器などについた少量の菌で感染することもあります。潜伏期間は1〜3週間で、症状は発熱、バラ疹(胸腹部に現れる淡紅色の小指の爪大の発疹)、便秘などが主な症状で、重症になると意識障害などを起こすことがあります。

病原性大腸菌

大腸菌は家畜や健康な人の腸内に存在し、通常は病原性はありませんが、いくつかの大腸菌は人に対して病原性があり、これらを総称して病原性大腸菌(又は下痢原性大腸菌)と呼ばれており5種類に分類されています。その中でも病原性の強いベロ毒素を産生するものが3類感染症に分類されている腸管出血性大腸菌です。

腸管出血性大腸菌

3類感染症に分類され、病原性の強いベロ毒素を産生するものが腸管出血性大腸菌です。人が感染する菌量は少量であるため人から人への二次感染を引き起こしやすいといわれています。潜伏期間は2〜9日で、症状は発熱、腹痛、水溶性の下痢を起こし、血便となることもあります。重症になると溶血性尿毒症症候群や脳症などの合併症を起こすことがあります。

コレラ菌

3類感染症に分類され、O抗原の違いによって約200種類に分類されています。その中でコレラの症状を示すものがコレラエンテロトキシンという毒素を産生するコレラ菌(血清型O1又はO139)です。コレラ菌に汚染された水、氷、食品などを摂取する事により感染します。潜伏期間は通常1〜3日で、症状は下痢や嘔吐で、腹痛や発熱を伴う事はほとんどありません。

カンピロバクター

カンピロバクターは、家畜、ペット、野生動物などが保菌しており、食中毒の原因食品としては鶏肉や牛レバー、井戸水などの飲料水による感染事例があります。平成19年度の食中毒の事件数が最も多い原因物質でした。潜伏期間が2〜5日で、症状は下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛などで、感染した数週間後に、手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こすギラン・バレー症候群を発症する場合があることが指摘されています。

上記以外の食中毒菌検査も実施していますので詳細はお問い合わせください。
※検査の結果で陽性者が認められた場合はその都度電話等にて速やかにご連絡致します。
採取方法
採取方法はこちら

専用の分離培地へ画線塗抹
分離培養したコロニーの拡大写真

腸内微生物検査(検便)「検査済証」の発行
当社では腸内微生物検査成績書の他、腸内微生物検査(検便)の「検査済証」の発行も行っています。

検便実施済み証明書


関係法令
大量調理施設衛生管理マニュアル(平成9年3月24日衛食第85号別添)

改正平成28年10月6日生食発1006第1号


学校給食衛生管理の基準(平成9年4月1日制定、文部科学省)

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年10月2日法律第114号 厚生労働省)