改正土壌汚染対策法が平成22年4月1日から施行されました。今回の法律の改正の要点は大きく分けて以下の4点があげられます。
・土壌汚染状況の把握のための制度拡充
・規制対象区域の分類等による講ずべき措置の明確化
・搬出土壌の適正処理の確保
・指定調査機関の信頼性の向上
 改正土壌汚染対策法の目的は「土壌汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定める等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護する」ことです。今回の法改正が及ぼす影響の一つは、法律に基づく土壌汚染状況調査等の実施契機が増えたことがあげられます。具体的には、「一定規模(3,000m2)以上の土地であって土壌汚染のおそれのある土地の形質の変更時における都道府県知事による土壌汚染の調査命令」(法第4条)等があります。また、自主調査に基づく要措置区域等への指定の申請制度(法第14条)が追加され、土壌汚染状況の把握のための制度が拡充されたといえます。
 土壌汚染状況調査は土壌環境の適切な把握と土壌汚染対策を念頭に実施されるもので、調査の方法、汚染除去等の措置に係わる基準等の技術的事項についての正確な理解とそれに基づく調査の実施が重要であり、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関による調査が必要です。

土壌汚染調査の契機
 土壌汚染調査の契機は以下のような状況が考えられます。

土壌汚染調査契機とその内容
調査契機 内   容

行政による調査・措置の指示
(法律に基づく調査)

・有害物質使用特定施設使用廃止時の調査義務(法第3条調査)
・一定規模(3,000m2)以上の土地であって土壌汚染のおそれのある土地の形質変更時における都道府県知事による土壌汚染の調査命令(法第4条調査)
・人の健康に被害を及ぼすおそれがある土壌汚染としての都道府県知事の調査命令(法第5条調査)

移転・廃業・
売却時の調査

・移転・廃業・売却等に伴って発生する土地改変の機会の条例等による調査義務
・売却時の買い手側からの厳格な調査要求

金融機関・
ファンドからの要求

・金融機関の融資等で土壌汚染リスクを含めた担保価格評価
・企業再建ファンドの債権購入時の土壌汚染リスクを見込んだ取得コスト評価

※有害物質の使用等については、過去にさかのぼって土壌汚染の可能性を評価する。
※土地の掘削における汚染土壌の管理の厳格化。


土壌汚染調査方法
 土壌汚染調査の流れと、具体的に弊社で実施する業務内容を以下に示します。

1.調査依頼に基づく計画書の作成・説明
 調査依頼内容の整理と把握を行い、関連法規等を考慮した調査内容を提示し、調査目的や調査方針の相互理解と共有を行います。
    
2.調査の実施
 調査目的・調査方針に基づき段階的な調査を実施します。

 ・土地履歴・資料等調査(フェーズ I 調査)
    
 ・現場調査(フェーズ II 調査)
   【概況調査】
   【絞り込み調査】
   【詳細調査】
    
3.対策措置(フェーズ III )関連対応
 対策措置(フェーズ III )関連の弊社対応内容は、土壌汚染状況調査結果に基づき対策措置方法のご提案を行います。また、ご依頼者のご希望される対策方針に基づき対策措置計画を検討、必要な汚染拡散防止対策計画等の作成を補助いたします。その他に工事に関し以下の内容について対応します。

 ・汚染拡散防止対策工事中の管理
 ○底盤・側面管理:対策範囲措置完了の確認
 ○周辺環境保全モニタリング:工事の周辺環境への影響をモニタリング
 ○廃棄物分析:廃棄物等の処理にあたる受け入れ基準確保の確認
    
4.対策工事完了後のモニタリング
 対策工事完了後のモニタリングは、汚染拡散防止対策実施後の土壌環境修復状況の確認を目的として地下水モニタリング等を実施します。

関係法令等
土壌汚染関連の主な法令等は以下のとおりです。

(1)土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)
(2)土壌汚染対策法施行令(平成14年政令335号)
(3)土壌汚染対策法施行規則(平成14年環境省令29号)
(4)土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)
    (平成24年8月 環境省 水・大気環境局 土壌環境課)
(5)油汚染対策ガイドライン(平成18年3月中央環境審議会土壌農薬部会等)
(6)自治体条例等

主な基準
 土壌汚染対策法に係る特定有害物質の基準は以下のとおりです。

土壌汚染対策法に係る特定有害物質と指定基準
                 (環境省令第29号平成14年12月)
特定有害物質 地下水基準 溶出量指定基準 含有量指定基準 第2溶出量基準  









四塩化炭素

0.002mg/L以下

0.002mg/L以下

0.02mg/L以下

 

1,2-ジクロロエタン

0.004mg/L以下

0.004mg/L以下

0.04mg/L以下

 

1,1-ジクロロエチレン

0.1mg/L以下

0.1mg/L以下

1mg/L以下

シスー1,2-ジクロロエチレン

0.04mg/L以下

0.04mg/L以下

0.4mg/L以下

 

1,3-ジクロロプロペン

0.002mg/L以下

0.002mg/L以下

0.02mg/L以下

 

ジクロロエタン

0.02mg/L以下

0.02mg/L以下

0.2mg/L以下

 

テトラクロロエチレン

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

0.1mg/L以下

 

1,1,1-トリクロロエタン

1mg/L以下

1mg/L以下

3mg/L以下

 

1,1,2-トリクロロエタン

0.006mg/L以下

0.006mg/L以下

0.06mg/L以下

 

トリクロロエチレン

0.03mg/L以下

0.03mg/L以下

0.3mg/L以下

 

ベンゼン

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

0.1mg/L以下

 









カドミウム及びその化合物

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

150mg/kg以下

0.3mg/L以下

 

六価クロム化合物

0.05mg/L以下

0.05mg/L以下

250mg/kg以下

1.5mg/L以下

 

シアン化合物

検出され
ないこと

検出され
ないこと

遊離シアン
50mg/kg以下

1mg/L以下

 

水銀及びその化合物

0.0005mg/L以下

0.0005mg/L以下

15mg/kg以下

0.005mg/L以下

 

アルキル水銀

検出され
ないこと

検出され
ないこと

検出され
ないこと

 

セレン及びその化合物

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

150mg/kg以下

0.3mg/L以下

 

鉛及びその化合物

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

150mg/kg以下

0.3mg/L以下

 

砒素及びその化合物

0.01mg/L以下

0.01mg/L以下

150mg/kg以下

0.3mg/L以下

 

ふっ素及びその化合物

0.8mg/L以下

0.8mg/L以下

4000mg/kg
以下

24mg/L以下

 

ほう素及びその化合物

1mg/L以下

1mg/L以下

4000mg/kg
以下

30mg/L以下

 









シマジン

0.003mg/L以下

0.003mg/L以下

0.03mg/L以下

 

チオベンカルブ

0.02mg/L以下

0.02mg/L以下

0.2mg/L以下

 

チウラム

0.006mg/L以下

0.006mg/L以下

0.06mg/L以下

 

ポリ塩化ビフェニル

検出され
ないこと

検出され
ないこと

0.003mg/L以下

 

有機りん化合物

検出され
ないこと

検出され
ないこと

1mg/L以下

 
・指定基準:土壌汚染がある土地と評価される区域の指定に係る基準
・第2溶出量基準:土壌溶出量基準に適合しない汚染土壌に対して行う措置に関する判断基準
※「土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令」平成26年8月1日

(1)目的
 ・土壌汚染のおそれの推定
 ・汚染物質・汚染源・汚染原因等についての仮説

(2)実施調査
 ・資料調査
 ・アンケート調査
 ・聞き取り調査
 ・現地調査

(3)フェーズI調査で把握する事項

フェーズ I 把握事項
分  類 把  握  事  項
地形・水文地質構造 地形、地質、水文地質、地下水流動
地下水汚染状況 周辺地下水汚染状況(濃度分布、濃度変化)
有害物質の利用状況 有害物質の使用状況
 (原材料、使用薬品、使用方法、使用量、使用期間、回収量)
有害物質の保管・運搬状況
 (保管場所、保管方法、輸送方法)
排水・廃棄物の発生、処理方法
 (発生量、発生経路、処理施設、排出量、排出濃度、廃棄物の埋め立ての有無等)
施設の破損や事故の履歴
 (有害物質の漏出の有無)
土地、地下水の利用状況 土地利用(過去、現在、将来)
地下水利用(過去、現在、将来)
過去の事業活動 過去の事業活動における汚染物質漏出の可能性

(4)フェーズ I の評価
 ・土壌汚染のおそれの分類
 ・評価のレベル
   汚染のおそれがない
   汚染のおそれが少ない
   汚染のおそれがある

現場調査(フェーズII調査)
(1)目的
 ・調査実施方針の決定
 ・土壌汚染状況(有無、平面的範囲)の把握
 ・汚染源の平面的な位置の把握

(2)実施調査
 ・調査区画・調査地点の設定
 概況調査計画は土壌汚染に係わる関連法令・既存の情報に基づき計画し、合理的な調査地点の設定を行います。

対象地に対して調査区画(10m及び30m区画)を設定し、“汚染のおそれ”に対して調査地点を設定します。

 ・土壌ガス調査、表層土壌調査
   概況調査は設定した調査地点毎に、関連法規等に準拠した調査・分析を実施します。
 削孔 土壌ガス採取 土壌ガス現地分析 表層土壌採取

(3)概況調査で把握する対象項目
 ・土壌ガス:揮発性有機化合物(VOC)
 ・表層土壌:重金属類、農薬類、油類、ダイオキシン類等

(4)概況調査の評価
 ・土壌汚染の有無
 ・土壌汚染の対象物質の特定
 ・土壌汚染の平面的な分布状況
調査結果:対象物質毎の濃度コンター解析も可能

(1)目的
 ・土壌汚染範囲の効率的な特定
 ・詳細調査や対策措置実施の効率化

(2)実施調査
 ・追加的な補足調査による汚染範囲の特定(絞り込み)
 ○簡易土壌ガス調査
VOCモニター 簡易土壌ガス調査

(3)絞り込み調査の評価
 ・土壌汚染平面的な分布の絞り込み

調査結果:概況調査結果(平面的汚染範囲)による絞り込み解析の最適化が可能

(1)目的
 ・概況調査で特定された土壌汚染範囲から、三次元的な汚染分布を把握
 ・最適な対策措置計画のための資料

(2)実施調査
 詳細調査は概況調査・絞り込み調査結果に基づき深度方向調査地点を設定し、深度方向の調査・分析を実施します。
 ・ボーリング調査
 ボーリング調査は設定した深度方向調査地点毎に、深度方向の土壌試料や地下水試料を採取するために実施します。

ボーリング調査 採取したボーリングコア(土壌試料)

(3)詳細調査の評価
 ・土壌汚染の深度的な分布状況
 ・対策措置対象範囲の評価(汚染土壌の三次元的範囲、ボリューム)
 ・対策措置計画の根拠資料
詳細調査計画 3Dによる汚染範囲の解析も可能

土壌汚染対策法に基づく指定調査機関の開示情報(平成27年4月1日現在)
A
指定調査
機関情報
名称 株式会社 日本総合科学
指定番号 環2003-1-206
住所 〒721-0957 広島県 福山市 箕島町南丘399-46
連絡先 環境事業部 土壌汚染担当
電話番号:084-981-0181
FAX番号:084-957-0693
E-mail:ntsmainntsc.co.jp
URL : http://www.ntsc.co.jp
事業所の所在地 広島県福山市、東京都北区、大阪府大阪市、広島県広島市、岡山県岡山市、鳥取県米子市
業の登録・許可の状況 建設コンサルタント業/環境計量証明業/特定計量証明業
土壌汚染状況調査の従事技術者数 6人(分析者:3人)
B
調査の実績
土壌汚染状況調査の元請受注件数

※契約件数
年度 ①法対象 法対象外
②資料調査 (フェーズⅠ調査)のみ ③試料採取・分析を 行った調査
平成15年度 1件 4件
平成16年度 3件
平成17年度 4件
平成18年度 2件 7件
平成19年度 2件 9件
平成20年度 1件 8件
平成21年度 2件 1件
平成22年度 1件 5件
平成23年度 3件 2件 8件
平成24年度 4件 1件 5件
平成25年度 9件 2件 2件
平成26年度 5件 1件 5件
土壌汚染状況調査の下請受注件数

※契約件数
年度 ①法対象 法対象外
②資料調査 (フェーズⅠ調査)のみ ③試料採取・分析を 行った調査
平成15年度 4件
平成16年度 5件
平成17年度 6件
平成18年度 10件
平成19年度 2件 6件
平成20年度 1件 11件
平成21年度 1件 18件
平成22年度 9件
平成23年度 18件
平成24年度 7件 6件
平成25年度 23件 1件
平成26年度 34件 1件
発注者の主な業種 自治体、建設業、不動産業、電気化学工業、機械工業、各種サービス業他
C
技術力
技術者の保有資格と資格保有者数 土壌汚染調査技術管理者:2人
技術士(建設部門):1人
地質調査技士(土壌・地下水汚染部門他):2人
RCCM(建設環境):1人
環境計量士:6人
D
業務品質管理の取組
業務品質管理の取組状況 ISO9001 認証・登録
ISO14001 認証・登録
環境省の「業務品質管理に関するガイドライン」に基づく取組を実施