温泉法は、温泉を保護しその利用の適正を図り、公共の福祉の増進に寄することを目的としています。温泉法施行規則の一部改正により、平成17年5月24日から、温泉施設において、温泉に加水、加温、循環装置の使用、入浴剤の添加、消毒処理などをおこなっている場合は、その旨とその理由の提示が必要(成分に影響を与える項目の提示が必要)となりました。


写真:神勝寺温泉(桧風呂「開山」)

温泉法施行規則改正の概要
●追加項目概要

①温泉を加水して利用する場合は、その旨及びその理由

②温泉を加温して利用する場合は、その旨及びその理由

③温泉を循環させて利用する場合は、その旨(ろ過を実施している場合は、その旨を含む)及びその理由

④温泉に入浴剤を加え、又は温泉を消毒して利用する場合は、当該入浴剤の名称又は消毒の方法及びその理由

*入浴剤等には、利用者が何が添加されているかが容易に判別できるもの(ゆず、しょうぶ等)は含まれません。

●施行期日 平成17年5月24日
●経過措置

掲示を行う際には、あらかじめ都道府県知事等に届け出ることになっており、施行期日以前であってもこの届け出は可能です。

●罰  則

①〜④に該当する行為を行っているにも関わらず、5月24日以降に掲示をしなかったり、虚偽の掲示を行った場合には、罰則(30万円以下の罰金)の対象となります。

   「温泉法施行規則の一部を改正する省令(平成17年環境省令第2号)」
     公布 平成17年2月24日
     施行 附則第2項:平成17年2月24日、その他の規定:平成17年5月24日

 また、温泉法の一部を改正する法律(平成19年4月25日)では、温泉の入浴者等に対する温泉の成分等についての情報提供充実と、豊富な温泉資源の持続可能な利用を進めることを目的としています。当社では平成14年に温泉成分の分析機関として登録され温泉成分の分析を行っています。

掲示例

温泉水の定義と検査項目
 地熱で温められた地下水が自然に湧出するか、掘削などで人工的に湧出・揚湯したもので、温泉法に定める条件を満たせば温泉となります。また、治療の目的に供することができるものとして、療養泉があります。

温泉の定義
①温度(泉源から採取されるときの温度)が25℃以上であること。
②試料1kg中に溶けている物質の量が、以下の19項目のいずれか一つ満たしていること。

療養泉の定義
①温度(泉源から採取されるときの温度)が25℃以上であること。
②試料1kg中に溶けている物質の量が、以下の8項目のいずれか一つ満たしていること。

溶存物質(ガス性のものを除く) 総量1,000mg以上 溶存物質(ガス性のものを除く) 総量1,000mg以上
遊離二酸化炭素 250mg以上 遊離二酸化炭素 1000mg以上
リチウムイオン 1mg以上 総鉄イオン 20mg以上
ストロンチウムイオン 10mg以上 水素イオン 1mg以上
バリウムイオン 5mg以上 総硫黄 2mg以上
総鉄イオン 10mg以上 ラドン 30×10−10Ci=111Bq以上
(8.25マッヘ単位以上)
マンガンイオン 10mg以上 アルミニウムイオン 100mg以上
水素イオン 1mg以上 銅イオン 1mg以上
臭化物イオン 5mg以上
ヨウ化物イオン 1mg以上
フッ素イオン 2mg以上
ヒ酸水素イオン 1.3mg以上
メタ亜ヒ酸 1mg以上
総硫黄 1mg以上
メタホウ酸 5mg以上
メタケイ酸 50mg以上
炭酸水素ナトリウム 340mg以上
ラドン 20×10−10Ci以上(5.5マッヘ単位以上)
ラジウム塩(Raとして) 1×10−8mg以上

温泉分析の概要と検査頻度
 温泉の含有成分や泉温、湧出量などは変化することがあります。このため環境省では新規の温泉登録申請に加え、10年毎に成分の分析を行うことを定めています。温泉成分分析には、湧出現場で内容調査試験と簡単な分析試験を行い、必要に応じて成分の固定作業を行う現地分析と、試験室に検水を持ち込んで、各種測定機材を使用して成分の分析を行う室内分析があります。
試料採取状況
装置外観

「温泉分析書」の発行
 調査分析し、温泉の定義を満たしている温泉には「温泉分析書」を発行しています。

関連法令
(1)温泉法(昭和23年法律第125号)
   温泉の保護および利用の適正を図るための法律です。

(2)温泉法施行規則(昭和23年厚生省令第35号)

(3)鉱泉分析法指針(平成14年環境省自然環境局 改訂平成26年)