土壌

 土壌が有害物質により汚染されると、その汚染された土壌から直接もしくは有害物質が地下水に溶け出し、それの飲用により人の健康に影響を及ぼすおそれがあります。
 土壌汚染による人の健康への影響の懸念から、対策の確立及び法整備への社会的要請が強まり平成15年に土壌汚染対策法が施行され、土壌汚染の状況把握、土壌汚染に起因する健康被害の防止に関する措置が定められ、汚染のある土地については調査が義務付けられました。また、平成15年、国土交通省から「不動産鑑定評価基準の物件調査」に「土壌汚染」が新たに加えられたため、汚染された土地は担保評価も低下してしまいます。当社では、豊かな経験をもとに、土壌汚染に基づいた調査・分析を行っています。


分析内容
分析内容 分析方法 基準値
土壌汚染にかかる環境基準に基づく溶出試験 平成3年環境庁告示第46号 平成3年環境庁告示第46号
土壌汚染対策法に基づく含有量試験 平成15年環境省告示第19号 平成14年環境省令第29号(土壌汚染対策法施行規則)
土壌汚染対策法に基づく溶出試験 平成15年環境省告示第18号 昭和50年環水管第119号
土壌汚染対策法に基づく地下水調査 平成15年環境省告示第17号 昭和48年総理府令第6号
土壌中の油汚染調査 TPH試験法(鉱油炭化水素)
土壌ガス調査 平成15年環境省告示16号
ダイオキシン類分析(土壌) ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル 150pg-TEQ/g

土壌のTPH試験とは?
 鉱油類には様々な種類があり、油汚染問題を生じさせている油の状態も様々です。また、油の濃度が同じでも油臭や油膜の状況が異なります。そこで、油含有土壌に起因する油臭や油膜の把握方法については、嗅覚や視覚といった人の感覚によることを基本とし、それらを補完するものとして、関係者の共通の理解を得るための手段としてTPH濃度を用います。

TPH:全石油系炭化水素(Total Petroleum Hydrocarbon)
 ガスクロマトグラフ法-(GC-FID)では炭素数(C)によって、ガソリン(炭素範囲C6〜C12)、軽油(炭素範囲C12〜C28)、残油(炭素範囲C28〜C44)の3つの炭素範囲に分けることができるため、油種判断や濃度の算出を行うことが可能です。
ガスクロマトグラフ法(GC-FID)のクロマトグラム

主な機器設備
ガスクロマトグラフ
原子吸光光度計

関連法令
(1)

土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)
 土壌の特定有害物質による汚染の状況を把握し、土壌汚染対策の実施を図るための法律です。

(2)

農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年法律第139号)
 農用地の土壌の特定有害物質による汚染の防止のための法律です。

(3)

ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)
 ダイオキシン類による環境汚染を防止し、国民の健康を守る法律です。

(4)

油汚染対策ガイドライン−鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方−(平成18年3月中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会)