哺乳類


コウベモグラは、主に平地に生息するモグラの仲間です。もぐら叩きゲームなどでおなじみの叩かれてばかりの動物ですが、実物をみたことのある人は少ないと思います。モグラの仲間は、前足が円形で大きく、体が黒褐色の円筒形で尻尾が短いのが特徴です。広島県には、本種以外にも標高の高い地域には小型のアズマモグラやミズラモグラが、標高の低い地域にはヒミズが生息しています。コウベモグラとヒミズは生息域が重なるため混同されることがありますが、前足が小さいこと、尻尾が長く毛が生えていることに注目すれば区別できます。本種の目は光を感知できるぐらいしか見えていないと考えられていますが、かわりに鼻をしきりに動かしてミミズや小さい昆虫などの餌を探します。また、大きな爪のついた前足は地中のトンネルを掘り進むための筋肉がよく発達しており、生態的にも形態的にも個性的で非常に興味を惹かれます。運よく生きた個体に遭遇する機会があればそれらの点に注目して観察してみられると、本種に対する愛着もわいてくるかもしれません。

2010年12月27日